雅兄には一応報告かな?
そう思い,その日一日は楽しめた。
あの子に…奈央ちゃんにまた会えると信じて。
あの頃のように一緒に帰れる,一緒に笑えると思うと嬉しくて口角が上がる。
でも,あの頃と違って今は僕たちに家なんかは無い。
その代わり…と言っては何だけど、部室に生活用品が揃っていて,僕達が普通に住めるようになっている。
流石,お金持ち高校だよ。
最初は驚いたけれど,今はそれが当たり前だと思って生活している。
放課後ー…
太陽が差し込む中,僕は部室があるC棟へと向かった。