勇斗side

僕が桜の木の根元で寝ていると顔が整っていて,凛としている雰囲気の子が来た。

「君は…何年なのぉ…?」
「え?」
「あ,一年生かぁ…僕は二年生だから君の一つ上だから先輩だねぇ~」
「え,あ,はぁ」
「僕はね~成宮勇斗って言うの!よろしくねぇ〜」

にっこり笑っていうとその子は吃驚していた。
でも,僕もこの後吃驚する。
だってこの子が奈央ちゃんだと知るから。
お互いの秘密を言わないまま,その時は別れた。
やっと……会えたんだ。
あの子に……彼女に……奈央ちゃんに会えたんだ…!
今度は雅兄には譲りたくないし,渡したくない。

「ふふっ…僕って……腹黒いなぁ………」

あはは…傷付けてしまったら意味無いのにね。