芽衣は約束通り荷物を置いて俺の家に来た。その時の俺の母さんの反応が「芽衣ちゃん!久しぶりね、少し見ないうちにいい女になったんじゃない?」と嬉しそうに話していた。
母親同士も元々仲が良く、俺はあまり芽衣に会ってなかったけど、母さんと芽衣の母親は時々一緒にお茶している姿を見た事があった。
挨拶もそこそこに、芽衣を俺の部屋に通す。
「好きな所に座れよ。」
「わー、奏くんのお部屋に入るの久しぶり!全然変わんないね。」
そう言いながら、芽衣は近くの椅子に座る。
俺の部屋は青を基調としたもので統一されており、俺はこの前バイトして買った一人用ソファーに腰掛けた。
「で、なんで部活辞めたんだよ。あんなの納得いかねぇし。」
「………だから、才能が。」
「上条から聞いた。お前が虐められていた事。」
芽衣は俯いて口を閉ざした。
だけど、俺はお構いなしに聞いた。
