放課後。

俺が教室から出て芽衣を迎えに行こうとしたら、すでに芽衣は俺を廊下で待っていた。


「芽衣…。」

「部活やめちゃったから、これから奏ちゃんと一緒に帰ろうと思って待ってたの。迷惑…だった?」

「いや、俺も今芽衣を迎えに行こうと思っていた。」

「本当?運命みたいだね!じゃあ、帰ろっか。」







空がオレンジ色に染まった頃、俺たちはいつもの帰り道を歩いていた。

こうして一緒に帰るのも1年ぶりで、少し懐かしい感じがした。

俺と芽衣の家は住宅街の中にあるため、商店街を抜けて信号を渡り、病院を左折し少し歩くと家に着く。

帰り道、会話は一切なし。けど、気まずくなる事はない。ずっと一緒にいたから。

自宅に着くと、芽衣は笑顔でこちらを向いた。


「じゃあ、奏ちゃん。また、明日――。」

「なぁ、芽衣。話がある。」

「え?」

「荷物置いたら、芽衣の家に行ってもいいか?」

「……ダメ。私が奏ちゃんの家に行くね。」

「わかった。」