―――やっぱり、イジメが起きていたんだ。

俺は衝撃と怒りでどうにかなりそうだったが、連は「まぁ、待て。」と言って俺の腕を掴んだ。


「実はいじめられる切っ掛けを作ったのが、白谷なんだ。」

「………え?」


どういうことだ…?
芽衣は物静かで大人しくて、泣き虫で、イジメられるような原因を作るようなやつじゃない。

しかし、連は続けた。


「俺も詳しくは知らないんだけど、白谷の先輩の彼氏と寝たって噂を聞いた。」

「芽衣が、他の男と…寝た?」


更なる衝撃が走った。

俺が知っている芽衣ではないんだろうか…?
好きだった女が、他の男と寝たなんて話し、誰が信じる。


「なぁ、連。嘘、だよな…?」

「あくまで噂だ。本気にすんじゃねぇよ。事実確認は本人にしてくれ。」


俺の中の芽衣は清楚で純潔だ。10年間ずっとそばにいたんだ。去年を除いて、俺が芽衣の事を一番知っている。

そう、思っていた。

都合が良い事に、今日はバイトが休みだった。
学校帰りに事情を聴くことにした。