俺たちを紗和ちゃんは微笑ましく見守っていた。
しかし、1時間目をサボってしまった事や、すれ違った連に怪しまれている。
芽衣と向き合いそろそろ教室に戻ろうという事を伝えた。
「芽衣、1時間目は出れなかったけど、2時間目から出られるか?」
「…………怖い。」
目を伏せながら話す。
紗和ちゃんが芽衣の目の前に行き、しゃがみこんで目線を合わせた。
「怖いの?」
そう、紗和ちゃんが聞くと、芽衣は黙って頷いた。
「神崎くんと私だったら、どっちが話しやすいかな?」
「奏ちゃん……。」
「そっか。神崎くん、私職員室に行って2時間目まで出なくても良いように伝えてくるから、保健室よろしくね。」
紗和ちゃんはそれだけ言い残して保健室を後にした。
