「普通に接してあげて。でも、怒ったらダメよ?余計辛くなっちゃうから。ちゃんと口に出して最後まで言えたら、『自分の気持ちを話してくれてありがとう。』って言ってごらん。そして共感してあげて。」
「共感?」
「一緒につらい気持ちを想像して味わってみるの。そしたら、白谷さんの気持ちも少しわかるようになってくると思うわ。」
「………芽衣の…気持ち。」
俺は芽衣の気持ちよりも、自分のことばかり考えていた。俺は、芽衣の彼氏なのに、彼女のことを怖がるなんて、彼氏として最悪だ。
今までしてきた事は、間違っていた……という事なのだろうか?
芽衣を見てみると、ようやく泣き止んだようで、芽衣は俺の手をぎゅっと握っていた。
「芽衣、俺…リスカやめろとか言って悪かった。」
「奏ちゃん、私のこと好き?」
「………好きだ。ずっとそばにいる。」
「ありがとう。」
紗和ちゃんは俺たちの様子をみて一息ついた。
芽衣はふつうの女の子よりも、少し傷つきやすい女の子だ。俺が守ってやらなくては。使命感に溢れており、ずっと支えてやる、そう覚悟を決めた。
