教室に入り、俺は今朝の出来事を親友の【上条 連】に相談した。

連は中学からの付き合いで、少しチャラチャラしているけど、情報通で、困った事があったらいつも連に相談するほど信頼している。


「白谷の様子が変?」

「そう。なんか知ってる事があったら教えて欲しい。」

「お前白谷まじ好きだよなー。もう告っちゃえよ。」

「うるさい、タイミングが合えば俺だって……って違う!本題からずれた。」


なぜ俺が芽衣のために必死になっているのかは、察しのとおりずっと片思いをこじらせ続けているからだ。

けど、その事実は連しか知らないし、今の俺に芽衣に告白する勇気も持てないへたれだ。


「悪い悪い、けど、大きな声で言えるような内容じゃないから、もう少し寄れよ。」


連は口に手を当て、俺は耳を寄せた。
「大きな声で言える内容じゃない。」ということは俺の悪い予想が当たってしまう感じがした。






「白谷 芽衣は吹奏楽で虐められていたらしい。」