「それと、ミサの件だが、ちゃんと連絡した。お幸せにって。」
「ふーん。」
「ふーんって、ミサとは親友だろ?」
「奏ちゃん、私の前で他の女の名前呼ばないで。」
「芽衣!!」
「また、腕切っちゃうよ?」
「………。」
なんで、なんで俺が脅されてんだよ!!
さっき約束したのに、脅しの材料にされている。
もう、どうすればイイんだ。
「わかった。しない。」
「奏ちゃん!私ね、信じてたよ。奏ちゃんは私を選んでくれるって。ずっと、ずっと一緒にいてね。」
「あぁ。」
付き合うってこういう事なのだろうか。世の中のカップルってこんな感じなんだろうか…?
芽衣は俺に抱きついて、幸せそうに目を閉じる。
俺も芽衣の背中を支えるが、愛よりも恐怖が優っていた。芽衣を愛する事をこれほどまで怖いと思ったことはない。
この先の未来が心配になった。