俺の中の和哉先輩というのは、相当悪人であるイメージがついていたが、そこまで悪くなかったのかもしれない。

芽衣が辛い時、俺よりも和哉先輩が励ましていたなんて。


「ある日ね、和哉先輩が『気分転換に遊びに行こう』って言ってきたの。沙良先輩に内緒で2人で映画見たり、服を見に行ったりして遊んでいた。遊び終わって帰ろうとしたら、和哉先輩が『辛いの忘れさせてあげる』って言って、一緒にホテル行ってそのまま寝た。」


前言撤回。
和哉先輩はksだ。

流石に俺も我慢の糸が切れて、また声を上げてしまった。


「ふざけんなよ!彼氏でもねぇ奴にホイホイついて行くなよ!!」

「ごめんなさい、でも、私…。」

「そのままホテルについてったとか、俺もう何をどこから信じたらいいんだよ…。」


結果的に芽衣は騙されていただけで、悪くない。

だけど、俺は知り合いの彼氏と2人で遊ぶなんて行為が、許せなかった。そんなの、裏切り行為だろ。


「私だって、抵抗したんだよ!でも、勝てなかったの。先輩は前から私の胸が大きい事を知っていて、ずっとヤリたかったんだって。」

「………。」

「先輩と寝た時、私ね、何かが満たされた感覚に陥ったの。その後、私は大丈夫だったけど、和哉先輩は退学した。そしたらそこから、沙良先輩を中心にいじめが発生した。毎日私のせいだって責められて、『しね』『消えろ』って言われ続けられた。」


この話を聞いて正直、全て和哉先輩が悪いとは思わない。芽衣にも非があったとしか思えなくなっていた。