【短編】箱の中身は彼女でした。







〜1年前〜




「お前なぁ……誕生日プレゼントがびっくり箱って……小学生かよ」


「えっへへ、ダメだった?」




1年前の5月17日。


16歳の誕生日の日、俺は誕生日プレゼントにびっくり箱をもらった。



もちろん、あの『変人』彼女に。




付き合うのが初めてらしいアイツは、

プレゼントに何をあげたらいいのかわからなかったらしい。


……けど、びっくり箱って。




「……むー。じゃあ、いったい何をあげればよかったの?」




若干スネ気味の彼女にそう尋ねられた当時の俺は、確かこう返した。




「……そんなの、自分自身だろ」