【短編】箱の中身は彼女でした。





「……なぁ、お前。あれなに?」


「え? ダンボールだよ?」


「いやいや、そうじゃなくて。なんでお前、あれから出てきたわけ?」




彼女とダンボールを交互に指差してやれば、「あぁ!」と手をポンッと打つ。




「あきへの誕生日プレゼント! 人間びっくり箱だよ!」


「……はぁ?」




その言葉に思わずマヌケな声を出す。




いつも突拍子もねぇことするけど、ここまで派手なのは初めてだ。


まさか箱の中にまで入るとはなぁ……。




「……で? もしかしてプレゼントって、これだけ?」


「そんなわけないじゃん!」




そう言うと、どこからかリボンを取り出し、ソレを自分の身体に巻きつけ出す。



そのまま、しゃがんだままの俺にズイッと顔を近づけ、




「……プレゼントは、あ・た・し…だよ?」


「……ぶっ!?」