あたしは、何て馬鹿なんだろう。何であの日、ケンカしてしまったんだろう。あの時・・・仲直りしていれば・・・。


あたしは、棺から少し見えるタクの顔を見つめて泣いていた。


ゴメンね。あたしがわがまま言ったから。だから、タクに怒られたって仕方ないんだ・・・。自業自得だよね。

あたしが・・・・あたしが、タクを殺したも同然だ。
こんな・・・こんな再会の仕方・・・。

タクとケンカしてから、初めて会う日がタクのお葬式なんて・・・!

あたしは声をもらして泣いた。
「ナッちゃん・・・。きっと、タクもあなたに会いたがってるわよ・・・。
もう泣かないで?ナッちゃんの泣いた顔なんて、タクは見たくないはずだから・・・。」タクのお母さんがやってきて、あたしを抱きしめて言った。
タクのお母さんも散々泣いたんだろう。
目が真っ赤にはれていた。タクを失って、タクのお母さんだって悲しいはずなのに・・・。
あたしは、タクのお母さんの気丈な励ましに余計涙を流した。