「ふ、震えてなんかなっ…。」


その声もまた震えていた。


他の奴には隠し通せるかもしれない…が、俺にはそんなもの通用しない。


「何年一緒にいると思ってんだよ、何年お前と幼なじみしてきたと思ってるんだよ、何年、お前を見てたと思ってるんだよっ…!!」



凛は顔をあげた。

やっぱり泣いていた。


「ほら、泣いてんじゃん…。泣けよ、頼れよ、俺には強がるな。」


凛は昔から強がって弱いところを隠す癖がある。


「…ぅっ…ぁあっ…!!りゅ…とぉっ…こわ、かっ…ぅっ…!!」


「怖かったな…、もう、大丈夫。」


俺は凛を抱きしめながら頭を撫でた。


こーすると凛は泣き止むのが早い。
昔からの俺だけが知ってる凛の癖。