紺野を綺麗に殴った俺はちょっとスッキリした。


凛は腰が抜けたのか、座り込んでいた。

あいつとのキスなんかで腰抜かすなよ。



俺はまた黒い感情に支配されそうになる。わかってる、これは『嫉妬』。




10年も惚れ込んだ女を他の男に取られたくないっていう俺の勝手な『独占欲』。




俺は、凛を抱きしめた。


紺野は俺が考えてるうちに逃げたようだ。

チッ…逃げ足の早い奴だなくそ。




「凛、震えてる…?」


微かだが凛の体は震えていた。