3月
桜が満開に咲く季節

卒業式

私、桜井 零(サクライ レイ)は
18歳最後の学生生活の日を迎えていた。


この日も親友の秋ちゃんこと

一ノ瀬 千秋(イチノセ チアキ)と
二人で学校へと向かう。



「ねーねー、秋ちゃん!」

「何?朝から鬱陶しい・・・」


いつものように秋ちゃんにウザ絡みする
いつものように秋ちゃんもあしらってくる



「私達、この三年間
いつもこうやって登校してきたんだよね?」

「だから?」

「もう・・・今日でこれも最後なんだって思うと・・・」


大切な親友
秋ちゃんと過ごした三年間を思うと・・・

これが最後だということに胸が締め付けられて、私は泣きそうになってしまった。



「・・・ばか」

「え?」

そんな私の髪をくしゃりと撫でながら
秋ちゃんは、いつもの仏頂面を私に向けながら言う


「まだ終わってないでしょ?

それに、今日が終わったとしても
私とあんたはずっと変わらず親友でしょ?」


「秋ちゃん・・・」

そう言ってくれた秋ちゃんの言葉に、私の涙腺は崩壊した。


大切な秋ちゃん
私の親友・・・・


「秋ちゃん大好き!」

「ちょっ!抱きつくな!
鼻水つくでしょうが!!」



卒業式の朝になっても
いつものように平凡な日常が流れる



心の何処かでそれが当たり前だと思ってた。