チョコミントが溶ける頃に

 * * *



 ガタンゴトン、と大勢の人々が電車に揺られる中、ぼくたちはつり革に手を掛けながらアニモンランドへと向かっていた。



 アニモンランドとは世界にも進出している、国民的な人気を持つアニマルモンスターの遊園地だ。


 元はRPGのゲームでぼくも小学生の時によくやっていた。


 
 それが、ぼくたちの通っている高校の駅から二〇分程度で行けるのだ。


 というか、生嶋さんがアニモンに興味があったなんて意外だな……。



  
 駅に止まり、聞き慣れたアナウンスが耳を通り抜けてく。



 ドアが開いて人が外に出、中に入ってくる様子はいつもと変わらない。


 なのに、なんだかいつもと違う感じがした。



 前に座っていたサラリーマンの男の人が降りたため、席がぽっかり空く。


 割と混んでいるこの車両だけど、周りを見てみるとこの一席と斜め後ろの二人分の席が開いていた。



「生嶋さん座りなよ。疲れてない?」