チョコミントが溶ける頃に

 ずっと答えずに筋肉を固くしているぼくの顔を、生嶋さんは不思議そうに首を傾げて覗き込む。



「どうしたの? 世尾くん」



 彼女の声にはっとしたぼくは、紡ぐ言葉を考えながらしどろもどろに言った。



「え、えっと……うーん……」



 ここは男のぼくが言ったほうがいいのだろうか。男は女性をリードしなくちゃいけないんだよね。


 でも、デートにおすすめの場所なんて分からない。



 こんな頼りないはずのぼくを見、生嶋さんは柔らかく微笑んだ。



「特にないなら私から言ってもいい?」



「うん」と若干気を落とし微笑みながら頷いた。



 生嶋さん、考えてきてたんだ。


 だったら、生嶋さんの考えてくれた所に行ったほうがいいのかな。彼女のための、で、デートだし……。



 生嶋さんは顔の角度を上げ、懐かしむような目で宙を見つめてその場所を呟く。




「――――――……アニモンランドは、どうかな?」