そう思いながらものろのろと枕元にあったスマホのロックを外し、新着メールを見る。




 それを見てぼくは大きく目を見開いた。





 
 それは、生嶋さんからのメールだったから。






「なっ、なんで……!」






 驚きのあまり飛び起き、食い入るようにスマホの青白い画面を見つめた。








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From.生嶋幾羽





これを見ている頃には、わたしはもうこの世にいないかな?


 
言葉では伝えられないから、文字にして伝えることにしました。




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 これは、生嶋さんが死ぬ前に打ったメール……!?





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まず、わたしとデートをしてくれてありがとう。


まさか本当にしてくれるなんて驚いたよ。



ちょっと無茶しちゃったけど、その分楽しくて幸せな思い出が作れた。




残される世尾くんにはすっごく酷なことをしてしまったと、自分でも思ってる。



わたしの我儘(ワガママ)に付きあわせてしまって本当にごめんなさい。どんなに謝っても足りないと思う。 



けど、どうしても最後に思い出を作りたかったの。


世尾くんが、好きだったから。




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