また、夢を見た。




 あの日の夢を―――――。






 重い瞼を上げれば、一〇以上見続けた自室の天井。




 寒さなのか夢のせいなのか、体が震えている。





 枕はしっとりと湿っていて、同じように頬まで濡れていて気持ち悪い。




 重い体をわざわざ起こす気にもなれず、体の向きを変えて掛け布団を掛け直した。






 早くも昨日一昨日とお通夜、葬式が続いた。



 遺影で微笑むのは紛れもなく彼女で。


 そこにしか、彼女はいなくて。




 ぼくも出席させてもらったけど、彼女が死んでしまったという現実を見せつけられた気がして苦しくなるだけだった。



 それに、待っていましたとばかりに翌日にすぐしてしまうところも、仕方がないけど、どうしても嫌気が差してしまう。




 そういえば、生嶋さんと仲が良いと言っていたあの三人もちゃんと来てたな。




 皆、泣いていた。




 もう悲しくて苦しくて悔いて。





 こんなことになるのなら生嶋さんと出逢わなければ良かった。





 結局、生嶋さんの世界の中でぼくはきっと優しい友達という立場でしかないだろう。




 デートに誘われたのだって、どういう意図があってやったことなのかさっぱり見当がつかない。