* * *
着いた場所は、フードコートだった。
この売店の近くには、見ているだけで寒くなるような大きな噴水が美しい水のアートをつくりだしている。
ただ、もうあたりは暗くなっていて、噴水も灰色に侵食されかかっていた。
生嶋さんが困ったような顔でぼくを見た。
「どうしてフードコート?
……! も、もしかして気を遣わせちゃってる……!?」
そんな彼女を見つめると、ぼくは頭(カブリ)を振る。
「違うよ、ただぼくが休みたいだけ。……休憩してもいい?」
しばらくの間納得がいかないような顔をしていたけど、頬を朱に染めていいよ、と返した。
ぼくはありがとうとお礼を言ってから、「どこにしようなかぁ……」と座る席を選び始める。
「ここは? テーブルも綺麗だしここでもいいんじゃない?」
「……ここの席は、ちょっとダメかな……。あ、ここの席いいな。ここに座ろう?」
頷いて座ったものの、ぼくのちょっぴりおかしな行動に彼女は戸惑っているようだった。
まぁ、当然だよね……。


