「元々遊園地みたいなリア充の巣窟になんか来たくなかったんだ……。
なのにお前たちが無理矢理と……!」
色々大変そうだった。
彼女に集まっていた視線はもうほとんど他の所に向けられていて、まだ見つめていたのはぼくと生嶋さんだけだ。
「……何か、色々大変そうだね……」
ぽつり、彼女が漏らした言葉に彼女と同じように苦笑いして返す。
「……だね。リア充って言われちゃったし……」
「「!!!」」
“ぼくリア充なんて言われるの初めて"と続けようとする前に、二人同時にはっとした。
黒紫の髪の彼女はこちらを睨んでいたから、ぼくたちのこともリア充と言っていたのだと思う。
世間一般で言われる“リア充"とは『リアルに充実している』、友人も恋人も持っている人のことを言う。
でも、大体は友人や充実した生活を送っているかなんてどうでもよくて、恋人がいればだれでも“リア充"に昇格される。
それはつまり――――――ぼくたちがカップルに見えたということだ。
そりゃあ男女で遊園地に来ていたら思われるだろうけど……。
さっきの笑い合っていた時のムードとは一変し、恥ずかしくなって話せない状態になってしまった。


