「あれ、生嶋さん食べるのこれだけなの?」
「え、あ、うーん……考えとく!」
えへ、と幸せそうに笑いかけられる。
ねぇ、生嶋さん。
君は知らないだろ、ぼくがこんなにも君にドキドキしてること。
「こほっ、こほっ」
不意に、生嶋さんが咳き込んだ。
「大丈夫? ……風邪?」
「う……こほっ、うん、ちょっとね」
彼女は弱々しく微笑みながら小さく息を吸い、胸をとんとんと叩く。
「あ、ジェットコースターもうすぐだよ」
ぼくが言うと生嶋さんは少し顔を上げ、前の大きなジェットコースターの線路を見た。
「ほんとだぁ。あんまり並んでないね」
彼女が言った通り並んでいる人は過去に行った時よりも少なく、待っても一〇分程度だと思う。
最後尾に並び、二人で黙々とチョロスをかじった。
……なんか、気まずいなぁ……。何かネタネタ……あ!
「そういえば、チョロス買う時何でシナモンって言ったの?」
カリッ、と音をたてて食べていた生嶋さんがはにかむ。


