ぼくたちはあの後いくつか電車を乗りつぎ、電車を降りると真っ直ぐアニモンランドへと向かった。


 これが休日のデートだったらもっとゆっくりできたかもしれないけど、今日は平日。残されている時間も多くない。



 
 アニモンランドまでの道は生嶋さんが分かると言うので、ぼくはただ彼女についていくことしか出来なかった。



 その生嶋さんも、歩いているうちに顔色もだんだん回復してきたから単なる乗り物酔いだったのだろう。





 イルミネーションが綺麗だね、とか。アニモンランドは何年ぶりだよ、とか。


 そんな他愛のない話もすることができ、初デートにしては良い出だしなんじゃないかと思った。






「世尾くんっ、最初どこ行こっか!」




 どうする、と生嶋さんはわくわくしたように笑った顔をぼくに見せた。



 いきなりの不意打ちの笑顔に一瞬、ドキッとする。 




「う、う〜ん、どこ行こっか」



 
 ぼくは慌てて考え中と言葉を紡ぎ、目の前に広がる何年ぶりかのアニモンランドを見つめた。



 
 やっぱり観覧車はどこにいても目立つもので、暗くなってきた紺色の空にクリスマスのイルミネーションが光っている。



 他にも空中に大きな線路を描くジェットコースターやぶんぶん飛ぶ小さな飛行機たち、ゆっくりと走るゴーカート……。