それから、でもやっぱり少し遠慮がちにぼくの肩に頭を預けてきた。それが、ちょっぴり嬉しかった。




 ……ぼくたちってひょっとして、はたから見たらカップルに見えるのかな……。



 し、しかもいっぱいの座席の前で、『彼女が彼氏に頭を寄せてる』というカップルのような真似をしてしまっては勘違いは絶対にされるはず。


 ……というか、生嶋さんって、自分で言うのも何だけど……ぼくのこと好きなのかな? い、いや、本当にナルシストではないけど。

 
 顔を赤くしてデートして下さいなんて言われちゃったら、誰だってそう思っちゃうよね!



 うわぁぁぁ、なんで生嶋さんはぼくなんかをデートの相手に誘ったんだ!? 


 顔も整っていて可愛い女子とデートしたい男子はいくらでもいるはず。そんな、大勢の中からなんでぼくが……。




 そう思ってちらっ、と生嶋さんを見ると、ぼくに寄り掛かったまま目を伏せて、ぼーっと大きな窓の外を眺めていた。


 その表情が、……なんだか色っぽくて。




 ……ダメだ、ぼくはなんて単純なんだよ。


「なに勘違いしちゃってんのww」「キモいんですけどー」とか言われたくない……。女子って怖い時は本当に怖いからなぁ。



 もう一度、生嶋さんの色っぽい、けど可愛いような綺麗な顔を盗み見る。


 そんなことを言うようには見えないけどな……。



 うぅぅ、一体ぼくはどう動けばいいんだ――――――――!?