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「じゃあ、私は買い物して帰るから」
そのあと店を出て、母ちゃんとはそこで別れることになった。そして何故か「莉緒ちゃんの好きなところでも連れていってあげなさいよ」と俺は肩を叩かれる。
せっかく母ちゃんの長い買い物に付き合わなくて済むのに余計なことを言うなよって感じ。
「莉緒ちゃん、玲汰のこと連れ回していいからね」
「はは、うん。おばさんも気をつけて」
母ちゃんは帰り際、こっちが恥ずかしくなるぐらいずっと手を振っていた。
「玲汰とおばさんってそっくりだよね」
ふたりきりになって、ふと莉緒が笑う。
「俺はあんなに無邪気じゃねーよ」
「無邪気だよ。小さい頃ずっとどんぐりばっかり拾って、なんか名前つけてたじゃん。ドンくんとぐりちゃん」
「……そういう恥ずかしい記憶はさっさと消してくんない?」
「なんで」
「いちいち小さいことまで覚えるなってことだよ」
本当にこいつの記憶力をなんとかしてほしい。
とくに俺の恥ずかしいことばかりを覚えてるからマジで困る。
「覚えてるよ。玲汰のことはなんでも」
少しだけ空気が変わって、隣に並んでいたはずなのに莉緒がいつものように俺の3歩先を歩く。



