「玲汰は本当にチョコ系が好きだよな」

莉緒の言うとおり俺の皿は茶色い系統のスイーツばかり。

莉緒は俺とは真逆にフルーツが沢山乗ったタルトやいちごのショートケーキばかりだ。


「お前だって好きなものは変わんないじゃん。
ケーキの上に乗ってるいちごだってどうせ一番でかいやつ選んできたんだろ」

「だからなんだよ?」

「昔からそうだよなー。俺のいちごのほうがでかかったりするとすぐ交換させられるし、フルーツだっていっぱい乗ってれば満足だもんなー」

「は?」

そんな俺たちのいつもの会話を聞いて、母ちゃんがクスリと笑う。


「あなたたちは本当に変わらずに仲良しねー」

「「仲良しじゃないっ!」」

綺麗に俺たちの声がハモってしまって、互いにふいっとそっぽを向きながらケーキを食べ続けた。


90分の時間制限はあっという間に過ぎていって、気づけば俺は相当なケーキとその他の食い物を制覇していた。

もう当分、甘いものはいらないかも……。