「莉緒ちゃんの知り合い?まさか彼氏じゃねーよな?」
「ち、違います!」
わりと食いぎみで否定した。
「だったらなんで呼び捨てで呼んでんの?」
「……お、幼なじみで……」
「は?」
「すいません、その……」
俺の声がだんだんと小さくなる。
こんなはずじゃなかった。邪魔しようとかそんなんじゃなくて本当に思わず名前を呼んでしまっただけで……。
亀のように背中を丸めていると、先輩が強い力で俺の肩を叩いた。
「弱えーくせに俺をイラつかせてんじゃねーよ!」
俺は後ろに仰け反って無言のまま。先輩はブツブツと文句を言いながらグラウンドに行ってしまった。
そして莉緒と目が合う。
お前のせいで、なんて八つ当たりしてやるつもりが先に言葉を言われてしまった。
「本当にあんたって……カッコ悪いな」
暴言なんていつものことなのにグサリと胸に刺さって、俺は言い返すことができなかった。



