玲汰、知ってる?


それを見かねて登場したのはやっぱりあいつ。


男子たちがゲームの話で盛り上がってると『それ玲汰が得意だよ』と輪に入るきっかけを作ってくれて。

俺が放課後にひとりで帰り支度をしてると『カラオケ行く人~?』と莉緒が人を集めて『玲汰は強制参加だからな』と必ず俺をそういう場に溶け込ませてくれた。

だから中学校でできた友達は全員莉緒のおかげだと言っても過言ではない。


だってあいつは口が悪くて言いたいことはズバズバ言うくせに誰からも好かれていて。

莉緒の隣にいると自然と自分も友達が多いんじゃないかと錯覚するほどに。

でもそんなのは金魚のフンと同じで莉緒の後ろに付いているだけの存在。さすがに情けないだろって惨めになって高校は莉緒とは違う場所にしようと決めていた。


なにせあいつの欠点は口の悪さと俺に対してのジャイアン気質だけで、それを除けば完璧といえるほどの才色兼備。

勉強をしてる素振りはないのにいつも学年一位だし、運動だって助っ人としてうちの部活にきてくれと勧誘される。

そしてなにより黙っていれば盗撮されるほどの美少女だから余計に自分がちっぽけに思えた。