「大体玲汰はほとんどが食わず嫌いなんだよ!食べる前から不味い、苦手って思い込んでるだけだろ」
「う……それは……」
否定はできない。
小さい頃食べたピーマンの味が忘れられなくて、それから野菜のイメージは全部苦いに変わった。
「今の野菜はな品質改良されててフルーツより甘い野菜があるぐらいだ。ピーマンだってほら、全然苦くない」
莉緒はパクッと野菜炒めを食べた。
俺はゴクリと生唾を飲んで料理とにらめっこ。
箸は持った。持っただけで手は伸びない。
「あーもう!」と苛ついた莉緒はそのまま俺の口の中に野菜を放り込んだ。
「……っ!」
慌てて吐き出そうとしたけど莉緒に止められる。
「平気だよ。ゆっくり噛んでみろ」
恐る恐る噛んでみると野菜炒めのキャベツは食感がよくてピーマンも何故か苦くない。
疑問に思って今度は自分から野菜を口に入れるとなんの違和感もなく食べることができた。
「食えただろ?」
莉緒がくしゃりとまたあの顔をする。
悔しいから不味いと箸を置いてやろうと思ったけど、食べられる自分に感動して気づけば綺麗に完食してしまっていた。



