「玲汰はそこでテレビでも見てろ」
無理やりリビングに連行された俺はドスッとソファーに叩きつけられた。
莉緒は腰巻きタイプの短いエプロンをして、鼻唄を歌いながら台所に立っている。
……本当に強引なヤツ。
もそもそうちの鍵を預けてるなんて母ちゃんもなにを考えてるんだか。本当に家族同等の扱いをされてるから俺の苦労が絶えない。
「ほら、できたぞ」
暫くして莉緒の料理が完成した。
見た目は悪くない。なんでも器用にこなすから中身は男でも料理ぐらい作れるのは知っている。
でもこれは……。
「どういうつもり?」
テーブルに並べられたのはボウルいっぱいのサラダに野菜炒め。食べやすくカットされたディップ付きの野菜スティックに緑色のスムージー。
もう俺は動物かってぐらい野菜のオンパレード。
「玲汰は大の野菜嫌いだろ?だから食え」
「………」
ちょっと日本語が成立してなくて理解できない。
そう、俺は野菜全般が苦手だ。食わなくても生きていけるし今のところ健康も問題はない。
少しでも緑色のものが入ってたら避けるし、16年間野菜を避け続けた人生だった。
「いやムリムリ」
率先して料理を作ってるから怪しいとは思ったんだ。本当にこいつは俺の嫌なことばかりをしてきやがる。



