まあ、うちの母ちゃんと莉緒が仲良しなのは今に始まったことじゃない。

ガサツなのにこうして『手伝おうか?』なんて、しおらしいことも言ったりするから本当の娘のように可愛いらしい。


「玲汰、箸ぐらい並べろ」

ギロリと莉緒の視線。

今日はマジで居心地が悪い。それが二日間続くと思うとすでに逃げたくなった。


そのあと晩ごはんを三人で食べて、母ちゃんと莉緒はその間もずっとペラペラと喋り続けていた。

なんだかんだ俺もご飯を2杯もおかわりして飯は旨かったけど、チャンネルの権限を莉緒に奪われて見たかった番組が見られなかったことが不満だ。


「玲汰、勉強やるぞ」

デザートのプリンを食べ終わったあと、俺たちは2階へと移動した。


「早くテーブル片して。あと玲汰はすぐ気が散るからパソコンの電源も切っとけよ」

莉緒はそう言ってリュックから教科書を出した。


中間テストの九教科全部とそれぞれのノート。
もしかしてこれが入ってたから莉緒のカバンが鉛のように重かったのか。


「今日は古典と現代文。明日は数学と英語。んで私は日曜の夕方に帰るからそれまでは倫理と地理と生物やるからな」

「………」

やる気がないわけじゃない。ただできる気がしないだけ。そんな俺の表情を読んだのか莉緒はバンッ!とテーブルを叩いた。