玲汰、知ってる?


そのあともまあまあ話が弾んで、教材室に着いて教室に戻る間も楽しく会話ができた。

やっぱり俺は中学の俺じゃない。


あいつがいなくても友達はできるし、なんだったら最初に言っていた彼女を作ることだって夢じゃない気がしてきた。

このまま一緒に帰ろうとか誘ってみようか。
いや、それはちょっと急展開すぎ?


「遅せーんだよ、バカ」

色んな妄想を膨らませてる最中にどん底に突き落とすような声が。

不機嫌そうに片肘をついて莉緒は俺の席に座っていた。


そういえば約束してたような気がする。
すっかり忘れかけていたけど。


「迎えにこいって言っただろ」

長い足を組ながらギロリと鋭い目。


「立花さんごめんね。今日日直だったから手伝ってもらってたんだ」

「日直?どうせ玲汰は放課後までなにもやらなかっただろ」

「あはは、うん。さすが幼なじみだねー」

なにやらふたりが盛り上がっている。っていうか前澤さんと莉緒って仲良しなの?友達だったの?


「じゃあね!立花さん池内くん」

しかも一緒に帰ろうと誘おうとしてたのに颯爽と前澤さんはカバンを持って帰ってしまった。