「……先生、脳腫瘍についての症状とかって分かりますか?」
気づけばそんなことを聞いていた。
先生は医者じゃないけど医療の知識は当然豊富だし、俺が知らないことを知ってるんじゃないかと思って。
「脳腫瘍?どうしてそんなこと聞くの?」
「いや、深い意味はないんですけど……」
少し沈黙になったあと、先生は「うーん」と考えながら教えてくれた。
「症状でいうと頭痛が一番ひどいって聞くわね。それによって吐き気を催(もよお)したり視力が低下したり、人によって症状は違うと思うんだけど」
「……そう、なんですか」
そんな症状の中、あいつは毎日笑ってたっていうのか?
なんで、どうして……。
「腫瘍が良性の場合は手術しないでも治ったりします?」
「腫瘍は基本的に手術による切除のみよ。あとは薬で進行を遅らせたりするらしいけど、一度できてしまった腫瘍は手術で取り除かない限りはなくならない」
「………」
じゃあ、莉緒も後々手術をするということなんだろうか。
あいつは本当になにも話してくれない。
幼なじみなのに、本当になにも。



