自転車を河川敷のそばにある駐輪場に止めて、
祭り会場に行ってみると予想どおりの人の波。
まっすぐと続く通路には出店が並んでいて、学校帰りの俺たちにとってこの匂いの誘惑が半端ない。
「「たこ焼き食べたい!」」
恥ずかしいぐらいピタリと声が合ってしまった。
なんだかそれが可笑しくて互いにクスリと笑ったあと、自然と祭りの雰囲気に溶け込んでしまっていた。
普段は犬の散歩かジョギングをしてる人しかいないのに河川敷は本当に賑わっていて、七夕らしく色とりどりの飾り付けがされていた。
用意された笹の葉にはたくさんの短冊。
天の川をイメージした菱(ひし)飾りが気持ちよさそうに揺れていて、木にぶら下がったくす玉付きの吹き流しはまるでカラフルな雨が降ってるようだった。
莉緒は小さなりんご飴を舐めながら、すれ違う浴衣姿のカップルを見つめていた。
「昔はよく着てたよな」
「え?」
「ほら、白地の紫陽花柄のやつ」
たしか最初は小学生の時。
莉緒の家族とうちの家族とみんなで行くことになって、こいつが浴衣を着てきた時は持っていた荷物を落としそうになったほど衝撃的だった。



