玲汰、知ってる?


その日の帰り道。

コンビニでアイスを買って莉緒はチョコミント。俺はいつものチョコクッキーの味。


「なんかいつの間にか夏になっちゃったよな」

どんどん溶けていくアイスを莉緒はぺろりと舐める。

どこかでセミの声と重なって、ひぐらしが鳴いていた。そのあと他愛ない雑談が続いて、あと少しで俺の家というところで突然莉緒が自転車を止めた。


「なんか聞こえない?」

そう言われて耳をすますと、空を通じてお囃子のような音が届いてきた。


「あー七夕だからじゃん?」

母ちゃんが商店街でもらってきたチラシが家のリビングに置いてあった。〝七夕祈願祭り〟と書かれていて、毎年あの河川敷の下で行われる。

小さい頃はよく行ったけど地元だし、毎年混むし、結局ここ数年は行ってない。


「……行ってみる?」

そう言ったのは俺だった。