玲汰、知ってる?


喫茶店特有のメロンソーダの上にはバニラアイスとさくらんぼ。それを持ち手の長いスプーンで崩すと、アイスと緑色のメロンソーダが綺麗に混ざり合った。


「莉緒はね、玲の話しかしないんだよ」

姉ちゃんがアイスコーヒーをひと口飲みながら言う。


「学校のことを聞いても『玲汰がさ』って。だからこうして会うのは久しぶりだけど、あんまり久しぶりって気もしないんだよね」

顔の雰囲気はあいつと似てるのに、話し方はすごく落ち着いていて。そういえば姉ちゃんに絵本を読んでもらうと必ず眠ってしまったっけ。


「あいつは姉ちゃんの話はしないから、俺的には普通に久しぶりって感じだよ」

「ああ、莉緒はけっこう秘密主義だからね」

カランッとアイスコーヒーの氷が傾く。


店内には穏やかな空気が流れていて、近所にある喫茶店なのになんで今まで来なかったんだろうと思うぐらい。

「大学生活はどうなの?」

上のアイスがなくなってきた頃に、今度は俺から話題を振った。