「ちょっと、そこでお茶でも飲まない?」
姉ちゃんがそう言って、向こう側の道路を指さした。
この格好でいいのかと抵抗があったけど、すぐ近くの喫茶店だというから俺は行くことにした。
醤油はどうせ晩ごはんに使うんだろうし、このまま家に帰ってもどうせソファーで寝転がるだけだ。
喫茶店に着くと店内は涼しくて快適だった。
一番奥の席へと座って、姉ちゃんはキャリーケースを慣れたように立たせる。
重そうだし俺が持とうかと言おうとしたのに、
姉ちゃんがさっさと横断歩道を渡ってしまうから言いそびれてしまった。
早歩きなのも、どうやら遺伝らしい。
「好きなもの頼んでいいよー。あ、玲はメロンソーダがいい?パンケーキもあるよ」
「俺は子どもじゃねーぞ」
「とか言って、まだ甘党なのは知ってるよ?玲の情報は全部我が妹から聞いてるからね!」
「………」
ほら、モテるとか見栄を張らなくてよかった。
どんなことをあいつが言ってたか知らないけど、絶対にロクなことじゃないって分かる。
姉ちゃんはミルクなしのアイスコーヒーを頼んで、俺は結局メロンソーダを頼んだ。



