体育祭が終わったらリレーの選手にしたことについて永遠と文句を言ってやろうと思ってた。

どうせ盛り上がるわけじゃないし、練習したことさえ無駄になるし。だからその文句を言い続けてやろうと体育祭が始まる前は考えてたんだ。

でも、そんなことは忘れた。

むしろこいつのおかげで久しぶりに良い経験ができたし、クラスメイトたちへの壁もなくなった気がする。

だからといって、お礼なんて言わないけど。


「デート、してやってもいいよ」

その代わり、今度は俺が上から目線。

莉緒の表情は分からないけど、なんとなく口元が微笑んだ気がする。


「じゃあ、行ってやってもいいよ」

おうむ返しのように上からの返事が返ってきた。


……ったく、マジで可愛いないよな。本当に。