白くて長い足を軸にシルバーの自転車に股がって、偉そうに前屈みになりながら俺を見つめている。
「乗れ」
どこのチンピラだよと言いたくなるような物言いで、荷台を指さした。
……はあ。ただでさえテンションが低いのにさらに追い討ちをかけるなよ。
「乗らねーよ。つーかニケツはダメだろ。心配しなくても学校には行くよ」
そう言いながらスタスタと歩き進めると、グイッと後ろから襟元を引っ張られて首が圧迫しかけた。
「ゲホッゲホッ……殺す気か!」
振り返ると莉緒はギロリと鋭い目付きで自転車に乗ったまま、傘の持ち手の部分を器用に俺の後ろ襟に引っかけていた。
「いいから乗れ」
「………」
あーあ。本当になんでこいつはこんなに傲慢で口が悪くて、俺が嫌だと思うことを強制的にしたがるんだろうか。
口答えできる雰囲気でもなかったし、このまま無視すれば確実に自転車で引き殺されるから仕方なく自転車の荷台へと座った。
莉緒は俺が乗ったのを確認してペダルを漕ぎはじめた。



