* * * 「――――――ってわけだよ」 「……ふ〜ん」 勇輝はどこか複雑そうな顔をしていた。 オレは話し疲れ、コンクリートの床に仰向けに寝転がる。 「どうしたんだよ、勇輝」 曇った顔をした親友に尋ねながら、オレは空を見ていた。 白い綿のような雲が、絵の具で塗ったように鮮やかな青空に浮かんでいる。 風がある時の雲は動いていて見ていると地味に面白いのだが、今日はあいにく風は吹いていなく、綿のようなのに重く見える。 勇輝はオレの見ている空を見上げながら呟いた。