だから、好きだって言ってんだよ



そんなことを言われたって……。


ちゃんとした言葉が欲しいよ。



「聞かせてよ。わからないし」



だって、あたしは言ったのに。


陽平は言わないなんて不公平だよ。



「ねぇ、お願い」



言ってくれなきゃ、安心出来ない。



ちゃんとした言葉が聞きたいんだよ。



ドキドキしながら、震える腕で陽平を抱き締め返した。



大きくて程よく筋肉が付いた背中に触れて、制服越しなのにドキドキが加速して行く。



「わかれよ、バカ。あんなにあからさまに妬いてたんだから、普通なら気付くだろ?」



「怒ってるんじゃなかったの……?」



「怒ってるっつーか、スネてただけ……愛梨が坂上とか芹沢と楽しそうにしてるの見て、焦ったっつーか。それに、いつの間にかノリって奴とも仲良くなってるし」



「そ、それは……」