「芹沢だろ?あ、今はノリ……だっけ?」
悲しそうに眉を下げて、一気にトーンダウンする陽平の声。
ねぇ、なんで最後まで言わせてくれないの?
なんでいつも、そうやって勝手に決め付けるの?
「だから違うって!」
「ムリするなって。強がる必要ないから」
せっかく素直になろうとしてるのに、本人にそんなことを言われちゃったら悲しすぎる。
「バカ!!あたしが好きなのは……」
大きく深呼吸をして一呼吸置く。
ドキドキと緊張がハンパないけど、ここで逃げたくはなかった。
「陽平だよ!」
そう言い切ったところで、急に恥ずかしさが込み上げた。
顔も真っ赤で、とてもじゃないけど陽平を見ていられない。



