放課後になって掃除から戻ると、坂上君の席に陽平が座っていた。 ダルそうに足を伸ばしながら両手をポケットに入れて、なんだかすごく機嫌が悪そう。 そんな陽平の横を通って席に辿り着くと、射抜くような視線をひしひし感じた。 うっ、なんだか気まずい。 怒ってる……? 目を合わせないようにして、カバンを掴んで帰ろうとすると。 「おい」 ヒーッ。 震え上がりそうなほどの低い声に、悪いことなんてしてないはずなのに自然と体が縮こまる。