「好きじゃ、ないよ」



ホントのことなんて言えなくて、とっさにウソをついた。



「ふ、深田さんは……その、陽平と……つ、付き合って……」



「うん、付き合ってるよ……!」



ーーズキン



遮るように、パッと顔を上げた深田さん。



ほんのりピンク色に染まる頬と真剣な瞳。


陽平を想ってムキになる姿。



全部、全部が可愛い。



そっか。


やっぱり、そうだったんだ。



胸が痛くて痛くて仕方ない。


苦しい。


切ない。



わかっていたのに、予想していたのに、なんでこんなにショックを受けるの。