中村さんのことは好きだ。

多分、先生って感じじゃなくて友達として好きっていうのと同じ感じ。

あたしが何も言わないから、中村さんはため息をついて言った。

『心配すんな。吉野先生のことはもう解決したから。』

「え?」

『もう迷う理由なんてないよな?』

だから、決めろってことだ。

先生のことを好きだと言った吉野先生のことは解決したらしい。

あたしも、優真を傷つけてでも終わらせる覚悟ができた。


『お前そろそろ自分に正直になれば?』

後はあたしが、優真にちゃんと気持ちを伝えるだけ。

「…うん」

『言っとくけどな、篠原先生、お前が思ってる以上にお前しか見えてないから』

電話の向こうで、先生の照れたような笑い声が聞こえた。