「この診断書預かったんで、渡しときますね。じゃ、俺はこれで…」

「…聞かないんですか」

ほんとに用件だけ済ませて保健室を出ようとしたけど、案の定、そう上手くもいかなかった。


「…何を?」

俺こういうの嫌い。

だってあんた大方篠原先生と咲良の邪魔しに出掛けたってとこだろ?

そんなの聞かなくても分かる。

まぁでも…

「…何かあったんですか?」

一応人として、このまま放って出るのは何か罰当たりそうだし。


「…咲良さんに、会ってきたんです」

思わずため息が出た。

「…それで、咲良に会ってなんか状況変わったんですか?」

どう見たって変わってねー。

むしろ撃沈?