紫苑くんに絡んでいた渚さんと連絡先を交換して、スマホを鞄になおした。
「じゃあ、そろそろ帰りますか」
帰る用意ができた燐奈と流星くんが出てきたところで、私と紫苑くんは保育ルームを後にした。
「そういえば、紫苑くんの家ってどの辺なの?」
ほのぼのと歩き、あと5分もかからない位で家に着くタイミングで少し気になった事を聞いてみた。
「侑未ちゃんの家からまっすぐ5分くらい歩いたところ」
「え⁉︎」
サラッと答えてくれたけど!
え⁉︎
5分⁉︎
「ちか!!」
「俺も思った」
思ったなら言ってよ!
「そんな近かったなら、どこかで会ってたかもねー」
「そうだなー」
そう答えてくれた紫苑くんは日が沈みかけている空を見上げながら、少し微笑んでいるようにみえた。

