ー公園

放課後になり、思い入れのある公園に直行した。

一刻でも早く、言わないといけない...


「ごめん、呼び出されてた」

そう言いながら和人は息を切らしてた。


「和人と張り合うなんて、馬鹿だね...」

「いや、告白」

あ、そっちか...


「で、話って?」

「ねぇ、和人...」


和人は私のこと...


「憎いんでしょ?」

「...は?」

ポカン、と口を開けた間抜けな和人の顔。


「いいよ、私のこと殴っても。」

「ちょ、ちょっと待って
何言ってんの?」

話の通じない奴だなぁ


「だーかーらー!
和人は私のことほんとは憎いんでしょ?
だから、殴ってもいいよってば!」

「...ねぇ、それ本気で言ってんの?」


そんなの...

「本気に決まってる。」

「何を根拠に...」


私は知ってる。

和人は...

「誰よりも紗奈を愛してた...
そして誰よりも私を憎んでる。
...違う?」

「ねぇ、柚乃...」


「僕は、
紗奈なんか...」

「...言えないくせに。

その言葉、最後まで言えないでしょ?

だから...
私を和人の好きにすればいい」

これしか、方法が思いつかないの...

和人の心の傷を少しでも癒す方法が...


「...そんなことしなくていいよ?」

「和人...?」

「もう、お願いだから...
僕の前から消えてよっ...」


これが、和人の本音...


「...分かった。
でも、少しだけ時間をちょうだい?

少しだけでいいの。」

「勝手にして...
もう帰るよ。」

「ありがと...
和人!」

和人の背中に声をかけると、振り返りはしなかったけど立ち止まってくれた。


「幸せになって。
私が言えることじゃないけど。」

ねぇ、和人...

ごめんね。

でも、もうすぐ私はいなくなるから...

それまでもう少しだけ時間をください。

償いを終えるまで...