「わ〜涼しい〜」



「おはよ」



「おはようございます」



「今日の夜予定ある?」



「ないですけど…なにかあるんですか?」



「今日誕生日だろ?だから、夜ごはん食べに行く」



「え?私今日が誕生日って言いましたっけ?」



自分でも忘れてるくらいだから言ってないと思うんだけど…



「高校の時に言ってたのを覚えてる」



「そんな前のことを?!」



「…まあ」



「ありがとうございます…」



覚えてくれててうれしい…



なんて思っていると



ピーンポーンーー



突然、インターホンが鳴った



「誰だ?」



ガチャーー



「み、美雨?!」



「え?美雨さん?」



「ちょっと、紘人!!由愛ちゃんをずっと独り占めなんてずるいわよ!!私にも貸しなさい!!」



「由愛は俺のなんだから貸すわけないだろ」



あの〜私、物じゃないんですが…



「たまには貸しなさい!!由愛ちゃん!今からお出かけするわよ!!」



「ええ?!」



「おい…」



「なによ!いいじゃないの!!」



「うるせぇなぁ〜わかったよ。夜までには返せよ」



「はいはい。由愛ちゃ〜ん」



ぎゅーっ



「うぇ?!美雨さん?!」



美雨さんは玄関に入った途端、私を抱きしめた